毎日窓から空ばかり見ていました。

約2年前にリリースしたCD。


まぁ、こちらはジャズとも
少し違うのですが、わたしの
中ではクラシックとジャズを
たしたような、自身そのものの
様な気がしています。




よく眠る前に聴いています、
と仰って頂く事が多く
本当に嬉しいです。




実は、わたし自身も眠れない時に
聴くCDが欲しかったから、
というのもありました。




術後、随分眠れない夜が何年も続き、、
(今はかなり眠りまくりなのですが笑)




耳鳴りとも少し違い、、物音がない夜、
しーん、とした時に鳴る『しーーん』が
気になって仕方がない時期があり、
かな~り神経が過敏になっていたのだと





その時は音楽が殆ど受け付けなかったので、CDも聴くことがなかったのですが、その
『しーーん』を紛らわしたくて、
仕方がなく音楽を聴いていました。






最初はクラシックばかり。





やはり途中からどうしても歌ものが
欲しく、、でも何かいつも聴いてた
ジャズヴォーカルもだめで…かと
いってヒーリングみたいなものでもなく。。





こんな時聴けるものがあったら
いいな~って漠然と。





勿論、わたしの声を受け付けない方も
いると思うので一概には言えない
のですが(笑)




音楽的云々以上に寝る前に聴くと
リラックスするよ~仰っていただける
のは心底嬉しい。





約2年前なので、もうお手元にお持ちの
方々が沢山いらっしゃってくださってるので、今ならお話してもいいかなと思うのですが、、





5曲目のデスペラード。わたしも大好きな曲。リクエストもとても多い曲です。
唯一息子にも最後に聴かせられる事が出来た曲なんです。当時お腹の中で喜んでくれていました。




術後は、身体も気持ちも、良くなったり悪くなったり毎日それの繰り返し。





全てが嫌で、自分が許せなくて、
こんな事を言っては絶対になりませんが、
当時は何度も何度も、生きる、という事を投げ出したくなりました。





身体も心もただただどうしようもなく、
一日中窓から空ばかり眺めて過ごしていました。






日常生活を送れることを目標としていたので、今の状況は未だに自分でも信じられない時があります。





歌えるようになるまで、本当に長い長い月日がかかりました。





日曜日に『ガン患者への心のケア』の講義を受けながら、、何だか今の状況があまりにも幸せで、本当じゃない嘘の様な不思議な感覚にもあったり、、沢山の方々からのあたたかいお気持ち、本当に本当に感慨深く感じています。





今もまだまだ自分に確信も持てない日もあります。お酒に頼ってしまう日も多々あります(笑)





でも、本当にあの時投げ出さなくて
良かったなぁって心から思います。





もう命をあきらめたい、
もしも、そんな風にもしも思って
いらっしゃる方がいたら、、




わたしくらいの無名のミュージシャン
投稿などでは何も変わらないのは
解っています。





もっともっとお辛い闘病を
今現在おくられている方々も
沢山いらっしゃいる中、
軽々しいことは何も言えません。





しかし、30才で身近に感じた『生』
と『死』と『子』やはりこれらを
思わない日は一日もありません




抗うことは自分にもできません。




これから音楽家としても、今の自分に
何が出来るかをじっくり考えていきたいです。




P&Vo   KUMIKO KAHLO クミコカーロ

KUMIKO KAHLO's Ownd

KUMIKO KAHLO(クミコ カーロ)啓発活動と音楽活動を同時に行う特異なジャズシンガー。ピアニスト。自由自在に操るピアノ弾き語りパフォーマンスと愛のあるMCで全国各地より呼び声高い。 L.Aでのイベント出演、六本木、銀座、上野など老舗ジャズクラブ、ホテルなどの10年間関東での旺盛な活動を終えた後、札幌へ移住。現在、札幌グランドホテル、SUNTORY BAR、アペリティフ、レギュラー出演中。